第338章 彼女の20歳の誕生日

この電話は、彼の心をさらに落ち着かなくさせた。

今日、海野桜は外出せず、誰かが彼女になりすまして学校に行った。

そして本当に彼女を殺そうとする者が現れた!

これは初めてではない。影で動く者は、いつも海野桜を狙う機会を探している。

その者を捕まえなければ、桜は安全ではないし、彼も安心できない!

浜田統介の目の奥に暗い色が浮かんだ。この件は必ず解決しなければならない。さもなければ、死んでも安心できない!

……

海野桜は祖父の思いを知らず、静かに20歳の誕生日を迎えた。

前世では、20歳の誕生日に家族全員でホテルで食事をしたことを覚えている。

東山裕は仕事が忙しく、遅れて来た。

食事が終わるとすぐに帰ってしまい、プレゼントも何もくれなかった。当時の彼女はとても落ち込んで悲しかった。