この電話は、彼の心をさらに落ち着かなくさせた。
今日、海野桜は外出せず、誰かが彼女になりすまして学校に行った。
そして本当に彼女を殺そうとする者が現れた!
これは初めてではない。影で動く者は、いつも海野桜を狙う機会を探している。
その者を捕まえなければ、桜は安全ではないし、彼も安心できない!
浜田統介の目の奥に暗い色が浮かんだ。この件は必ず解決しなければならない。さもなければ、死んでも安心できない!
……
海野桜は祖父の思いを知らず、静かに20歳の誕生日を迎えた。
前世では、20歳の誕生日に家族全員でホテルで食事をしたことを覚えている。
東山裕は仕事が忙しく、遅れて来た。
食事が終わるとすぐに帰ってしまい、プレゼントも何もくれなかった。当時の彼女はとても落ち込んで悲しかった。