しかし、これからのことを考えると、また悲しくなってきた。
「桜ちゃん、はい、これをあげよう」浜田統介は銀行カードを取り出して彼女に渡した。
海野桜は不思議そうに「おじいちゃん、これは何のために?」と尋ねた。
老人は説明した。「今日で20歳になったね。おじいちゃんの目には、もう大人に見えるよ。そろそろ自立した生活を送る時期だ。これは、おじいちゃんがこの何年間かで貯めたお小遣いだ。ゆっくり使いなさい」
海野桜は嬉しそうに銀行カードを手に取り、わざと「おじいちゃん、中にいくら入ってるの?」と聞いた。
「そう多くはないよ、5000万円だけだ」
海野桜は驚いて「いくらですって?!」
老人は笑って「どうした?少なすぎると思うのか?」
「違います!」海野桜は慌てて首を振った。「おじいちゃん、どうしてこんなにたくさんのお金をくれるの?なぜ急にこんなに?」