第342章 お爺さまは潔白だった

こうして手がかりを追っていくうちに、彼らは本当の売国奴が鈴木健雄の義兄弟だと突き止めたのです!

鈴木健雄の側にいた女性は、ずっと彼と密かに付き合っていました。

機密情報も彼女が鈴木健雄の義兄弟に漏らしていたのです!

二人は結託して、鈴木健雄を利用し、多くの私利を得ていました。

鈴木健雄はこの事実を知り、大変なショックを受け、苦しみました。

最も信頼していた二人に裏切られるとは思ってもみませんでした。

怒りに任せて、鈴木健雄は部下を連れて義兄弟を逮捕しに行きましたが、相手は事態が露見したことを知り、必死に抵抗しました。

激しい銃撃戦の末、鈴木健雄の義兄弟は殺され、その息子たちも死に、あの女も殺され、鈴木健雄も負傷しました。

しかし、義兄弟は死ぬ間際に、恨みを抱いたまま、自分の子孫が必ず復讐に来て鈴木家の者を一人残らず殺すと誓いました。

そして、最年少の息子は事件の前にすでに避難させられており、行方は分かりませんでした。

鈴木健雄は負傷し、このような大きな打撃を受け、さらに職務怠慢で福岡市にいられなくなりました。自ら軍服を脱ぎ、息子を連れてスイスに来ました。

福岡市から離れたのは、報復を避けるためでもありました。

もちろん、数年前まで人を通じて妻と娘を探していましたが、残念ながら見つかりませんでした。

その後彼は亡くなり、鈴木育光はスイスで苦労しながら、母と妹を探す時間もないまま、数十年が経ちました。

しかし、鈴木育光が予想もしなかったことに、浜田統介はずっと鈴木健雄の妻と娘を探し続けていたのです。

やっと見つけたものの、鈴木家との連絡が途絶えてしまい、知らせることができませんでした。

幸い、浜田統介は鈴木健雄の恩を忘れず、妻子を見つけた後もずっと面倒を見続けました。鈴木健雄の妻が病死した後も、娘を見捨てることなく、自分の末っ子との結婚も認めました。

ただし、海野桜の母は幼い頃から病弱で、海野桜を産む時に難産で亡くなってしまいました。

このことを思うと、鈴木育光は非常に残念で後悔していました。