海野桜は驚いて、「もう捕まったの?!」
「はい」
「どうして今まで言ってくれなかったんですか?!」海野桜は立ち上がり、焦りを見せた。「もっと早く教えてくれるべきでした。だめです、今すぐ帰らないと!」
彼女が帰らなかったのは、おじいちゃんが帰るなと言ったからだ。
危機が去ったなら、もう帰れるはずだ!
この時、海野桜は一刻も早く帰りたかった。おじいちゃんに会いたくて仕方がなかった。
鈴木育光は立ち上がって彼女を引き止め、少し困ったように言った。「桜ちゃん、君に会いに来たのは、これを伝えるだけじゃない。もう一つ話があるんだ」
「何ですか?」海野桜は不思議そうに尋ねた。
そして彼女は、とても衝撃的で辛い話を聞かされた。
「数日前、君のおじいちゃんが突然姿を消したんだ。今でもまだ見つかっていない」
「何ですって?!」海野桜は完全に呆然としてしまった。
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浜田統介が消えた。
浜田家の人々は至る所を探したが、何も見つからなかった。
鈴木育光は海野桜にこの事実を隠すことができず、すべて話すしかなかった。
海野桜は知るや否や、すぐにでも帰国したがった。
すぐに帰らなければならない、一分一秒も待てなかった!
しかし、一番早い便でもかなり先の出発だった。
ちょうど、鈴木育光の友人がプライベートジェットで帰国する予定があり、海野桜を一緒に帰らせることにした。
海野桜は彼の友人が少なくとも中年の人だと思っていたが、意外にも若い男性だった。
彼の名は白川宗助、フランスの血を引いており、深い目鼻立ちの、とても紳士的な男性だった。
機内で、彼は海野桜をよく気遣ってくれた。
しかし海野桜は彼と話す気分ではなく、ずっとおじいちゃんのことを心配し、何か不測の事態が起きていないかと恐れていた。
白川宗助は彼女の気持ちをよく理解し、あまり邪魔をしなかった。
ついに、長い飛行の後、飛行機は福岡市に到着した!
海野桜が機内から出て福岡市の空を見上げると、突然涙が込み上げてきた。
この場所が本当に恋しかった。
この場所がどれだけ辛い思いや嫌な記憶を与えたとしても、ここは彼女の故郷であり、常に愛してやまない場所だった。
それに、ここには同じように多くの幸せと温もりがあった。