第349章 100万円を失う事故

「まさか、お爺様は彼らを冤罪に陥れていなかったということですか?」と張本家政婦は驚いて尋ねた。

「ええ」海野桜は頷いた。

「一体どういうことなの?お爺様でないなら、なぜ彼は認めたの?」

「張本さん、それは今はお話しできないの。後で機会があったら説明するわ。とにかくお爺様は良い人で、潔白なの」

張本家政婦は溜息をつきながら言った。「私はずっとお爺様が良い人だと信じていました。あの時、きっとお嬢様を救うために、認めざるを得なかったのでしょう。でも東山裕は真相を突き止めようとしてあなたたちを追い詰め、お爺様を信じようともしない...お嬢様、彼とは一緒にいない方がいいわ。そもそも彼がいなければ、こんなことにはならなかったのに...」

海野桜の心は急に複雑な思いに包まれた。

お爺様が彼女と東山裕との関係を認めなかったのは、きっと二人の間に本当の正直さと信頼関係が築けないからだろう。