第380章 彼女に手を出すのは私に逆らうこと

不思議なことに、彼は突然恐怖を感じ、棒は宙に固まったまま、どうしても動かせなかった。

東山裕は冷たく口を開いた。「伯父さん、私は祖父と海野桜のために、あなたに少しは顔を立てているんです!年寄りなのに品格がないのはやめてください!それと、はっきりさせておきたいことがあります。海野桜は私、東山裕の妻です。彼女に手を出すということは、私に敵対するということです!もし彼女に手を出すなら、容赦しませんよ!」

浜田英司は唖然として「……」

実際、東山裕がこのような失礼な言葉を言ったのだから、彼はもっと怒って、一緒に懲らしめるべきだったはずだ。

しかし……東山裕の威圧感は彼よりもはるかに強かった。

彼は反抗できないどころか、むしろ無意識に後ろめたさを感じ、額には冷や汗が浮かんでいた。

張本花江さえも、彼の強大な威圧感に押しつぶされて叫ぶことができなかった……

しかし海野桜は驚いて東山裕を見つめ、心の中の何かが再び揺さぶられたような気がした。

浜田英司は後ろめたさを感じながらも、すぐに落ち着きを取り戻した!

「東山裕、お前の言う通りだ。海野桜はお前の妻だから、私は彼女を懲らしめない!しかし、彼女には浜田家のことに口を出す権利はない。お前にもない!だから二人とも出て行け、ここではお前たちを歓迎しない!」

張本花江も我に返り、「そうよ、これは私たち浜田家の問題よ。家を売るか売らないかは、私たちが決めることよ。東山裕、早く海野桜を連れて帰りなさい。余計な口出しはさせないわ!」

海野桜は一歩前に出て言った。「帰りません。祖父の家を売るなんて絶対に許しません!」

「海野桜、お前は……」浜田英司が彼女を叱ろうとした時、突然東山裕に遮られた。

「いくらだ?」彼は低い声で尋ねた。「この家は私が買い取る!」

三人とも一瞬固まった。

海野桜はすぐに反論した。「だめ、買わないで!」

彼の意図は分かっていた。家を守るために買い取ろうとしているのだが、そんな必要は全くない。

「東山裕、そんなことしなくていいの。彼らにお金を渡す必要もない。祖父の家を、彼らには売る資格なんてないわ。」

東山裕は彼女の言葉を無視し、浜田英司を見つめた。「この家、いくらで売るつもりだ?」

浜田英司は思わず答えた。「5000万……」

「6000万で買い取る。」