第390章 私はあなたを見逃してしまった

相良剛は何となく照れくさそうに笑って、「その通りだよ!」

海野桜はまた笑って、「相良兄、どうしてそんな風に考えるの?私を連れ去った人はあなたじゃないんだから、全然罪悪感を感じる必要なんてないのよ」

相良剛は再び表情を引き締めて、「でも俺はお前の兄貴なんだ、お前を守るべきだった!なのに、それができなかった!それに、軍人としても、お前を守るべきだったんだ!」

「相良兄、あの時の状況は一番よく分かっているでしょう。私を守りたくても無理だったはずよ。だからそれは相良兄の責任じゃなくて、全部悪い人たちのせいなの!私も一度も相良兄を責めたことはないわ。だから自分を責めないで、本当に何も悪くないんだから」

相良剛は暗い表情で首を振った。「桜、お前は俺に非がないと思っているかもしれないが、俺には分かっているんだ。俺は間違いを犯した。そして、チャンスも逃してしまった」