第396章 東山裕の帰りを待つ

「社長は庄野グループが買収しようとしていた物件の30パーセントを密かに買い取り、周辺の土地も手に入れたんです。

庄野グループが不動産開発を円滑に進めるためには、まず社長が持っている物件と土地を買い取らなければなりません。

そうしなければ、工事を進めることができないんです。

だから今の庄野グループは、社長とよく交渉しないと、開発権が無駄になってしまいます。」

海野桜は驚愕した——

東山裕がこんなことをしていたなんて、思いもよらなかった。

浜田家の古い屋敷が取り壊されるのを阻止するために、彼はこれほどの物件と土地を買い取ったのだ!

そうすることでしか、庄野グループと交渉する資格を得られなかったのだ。

彼はここまでやってのけたのだ!

海野桜は東山ビルをどうやって出たのか覚えていなかった。