第406章 幸せな二人

海野桜は急いで頭を縦に振った。「わかりました、次回は必ず電話します!」

「今回はなぜ電話しなかったの?」と東山裕はさらに尋ねた。

「あなたが来る前に、電話できたはずだよ」

そうすれば、彼はすぐに戻って彼女に会うことができたし、彼女も遠路はるばる彼を探しに来る必要はなかった。

それどころか、2時間も歩いたのだ。

彼女が彼を探しに来るためにこんなに苦労したことを考えると、東山裕は心が痛み、怒りも感じた。

「海野桜、なぜ直接電話をくれなかったの?!」

海野桜の目が揺れ、落ち着かない様子で答えた。「電話するより、あなたに会うことの方が大事だったから...それに、あなたを見ないと、何を言えばいいのかわからなくて...」

東山裕は驚いた—

彼の喉が思わず動き、熱い視線を彼女の目の奥に向けた。

「だから急いで来たのは、私に会いたかったからなの?」

「...うん」海野桜は恥ずかしそうに頷いた。

東山裕は彼女を突然抱きしめ、まるで全世界を抱きしめたかのように強く抱きしめた!

「海野桜、お前はもうダメだ!」彼は苦しそうに内なる感情を抑えながら言った。「この先ずっと、俺はお前を放さない!もしお前が俺から離れようとしたら、絶対に耐えられないことをしてやる!」

海野桜は彼の脅しを少しも恐れず、むしろ笑い出した。

「じゃあ、私を放さないでね。どうせ私もあなたを放したくないから!あなたが先に手を離さない限り...」

「夢でも見てろ!」東山裕は子供のように冷たく鼻を鳴らした。「俺が手を離すなんて、この先絶対にあり得ない!」

海野桜は一瞬で甘く笑い出し、彼女の笑い声を聞いて、東山裕も甘い笑顔を浮かべた。

この瞬間、彼らは本当に幸せを感じていた。まるで世界中の幸福を手に入れたかのように。

幸せな二人は、しばらくイチャイチャした後、手をつないでホテルを出て、空港に向かうことにした。

今回の横浜市訪問で、東山裕はかなりのボディーガードを連れてきていた。

ボディーガードは後ろを歩き、荷物を持ち、二人は前を歩いた。

ホテルも彼らのために高級なビジネスカーを用意していた。

東山裕は自ら海野桜のためにドアを開け、彼女を座らせようとしたとき、豪華なリンカーンが突然現れ、彼らの前に停車した。

車を見た瞬間、東山裕は誰が来たのかわかった。