これは海野桜が初めて東山裕が食事をする姿を見た時で、こんなにもきれいに食べ尽くすとは!
「次もまた作ってくれ!」東山裕はまだ物足りなさそうに要求した。
海野桜は驚いて、「そんなに好きなの?」
「ああ!」
東山裕は目を輝かせて、「海野桜が作ったものなら、何でも好きだ。確かに味はあまり良くないけど、でも食べていると食欲が湧いてくる!」
海野桜は彼が本当に言葉巧みだと気づいた。
言っていることは正直な事実なのに、それでも彼女にとって甘い言葉に聞こえる、まさに口説きの達人だ。
彼のことをよく知らなければ、彼が女性を口説くタイプの男だと疑ってしまうほどだ。
しかし彼はそうではなく、女性に対してとても冷淡で、むしろ誰に対しても冷淡だった。
彼女に対してだけ、こんなに甘い言葉を言うのだろう……
海野桜は微笑んで、彼を急かした。「お腹いっぱいになったなら休みに行きなさい、一日中忙しかったんだから、きっと疲れているでしょう!」
「うん、確かに休むべきだな、でもまだ疲れてはいない。」東山裕は熱い視線で彼女を見つめ、意味深な口調で言った。
海野桜はすぐに警戒心を抱いた、「何をするつもり?」
男は立ち上がり、歩み寄って彼女の体を直接抱き上げ、悪戯っぽく艶かしく笑った。「もちろん休みに行くんだ!」
海野桜は顔を真っ赤にして、すぐに彼の意図を理解した。
彼女は慌てて抗議した。「食事の直後は、運動しない方がいいわよ!」
東山裕はうなずき、真面目そうに言った、「確かに運動はできないな、だから君が動くんだ!」
「え?」海野桜は呆然とした、聞き間違えたのだろうか。
東山裕は邪悪に繰り返した、「君が動くんだ——」
「いやよ!」海野桜は抗議したが、残念ながら抗議は無効だった。
東山裕がどうして彼女を簡単に逃がすだろうか、今やっと彼女に対して思いのままにできるようになったのだから、彼はどんなチャンスも無駄にするつもりはなかった。
しかし最初こそ海野桜が動いていたが、後半は彼がリードすることになった……
彼女の体力は、本当に彼ほど良くなかった!
……
昨晩はとても疲れたので、海野桜は翌日かなり遅くまで寝ていた。
東山裕はすでに出かけていた。
海野桜も知っていた、最近彼はとても忙しくなるだろうということを。