海野桜もベッドに横たわり、うとうとと眠りに落ちてしまった。
落ち着かない眠りの中、彼女は突然顔がかゆくなり、何かが触れているような感覚がした。
海野桜は驚いて目を開け、目の前の人を見て、ほっと安堵のため息をついた。
東山裕は再び彼女の頬にキスをし、優しく尋ねた。「驚いた?」
「ちょっとね。いつ帰ってきたの?何時?」海野桜は少し眠そうに尋ねた。
東山裕は彼女の体を抱きしめ、隣に横たわって、「1時だよ」と言った。
海野桜は驚いた。「今帰ってきたの?」
「うん」東山裕は彼女をしっかり抱きしめ、快適な寝姿勢を見つけて目を閉じた。「本当は起こしたくなかったけど、少し話したくて」
半日彼女に会えなかっただけで、彼はもう恋しくなっていた。
今こうして彼女を腕に抱いていると、やっと心が満たされ、幸せを感じた。
「海野桜、僕のこと恋しかった?」東山裕は突然尋ねた。
海野桜は彼のハンサムな顔立ちを見つめ、軽く微笑んだ。「もちろん。あなたがどうしているか考えてた。今回のことであなたがプレッシャーを感じて、頭を悩ませていないかって」
東山裕は目を開け、魅力的な笑顔を見せた。「プレッシャーも感じてないし、頭も痛くない。ただイライラしてるだけ」
「イライラ?」海野桜は理解できなかった。
そして彼女は東山裕の低く心地よい声を聞いた。「うん、君と一緒にいる時間も、君のことを考える時間もないからね」
だから彼はイライラしていたのだ!
海野桜はそれを聞いて、笑うべきか泣くべきか分からなかったが、同時に心の中が甘く満たされるのを感じた。
しかし彼女はすぐに問い返した。「じゃあ、食事する時間はあった?」
東山裕:「……」
海野桜は急に起き上がり、問いただした。「結局、ご飯食べたの?!」
「夕食は食べてない……」東山裕は後ろめたそうに告白した。海野桜は案の定目を見開いた。「胃の調子が悪いのに時間通りに食べないなんて!薬は飲んだ?」
薬も飲み忘れていた……
東山裕はどう答えればいいか分からず、すぐにお腹を押さえて眉をひそめた。「ちょっと胃が痛い」
海野桜はそれを聞いて、すぐに心配し始めた。「薬はどこ?」
「引き出しの中……」
海野桜は急いで彼に薬を飲ませ、自ら台所に立って食事を作った。