第424章 誰も俺を説得する必要はない!

海野桜は聞いた途端、胸に不吉な予感が走った。

彼女はこっそり会議室のドアの外に行き、中から激しい議論が聞こえてきた。

「東山裕、一体何にこだわっているんだ?女が大事なのか、それとも会社が大事なのか?会社を潰すまでやらないと気が済まないのか?」

「裕、ただ一時的に離婚して、この危機を乗り越えてからまた考えればいいだけなのに、なぜ承知しないんだ?」

「一時的な離婚なんてものじゃない、私から見れば海野桜は東山家に入る資格など全くないわ!」

「もういい——」東山裕はもう聞いていられず、冷たく叱責した、「これは全て海野桜とは何の関係もない。まさか君たちが全ての責任を彼女に押し付けるとは思わなかった!君たちは彼女を標的にしているのではなく、私を標的にしているんだ!」

その場にいる人々は皆東山一族の者たちで、中には東山裕の年長者もいた。