東山秀造は断固として話さず、海野桜もそれ以上聞くのをやめるしかなかった。
彼の言うとおりだった。東山裕でさえ対処できない人物なら、彼らにはきっと何もできないし、接触することもできないだろう。
だからこそ、東山裕が来栖家と協力しようとしていたのも無理はない……
鴻野美鈴は心配そうに言った。「私たちと関係がないわけないでしょう、裕はすでに巻き込まれているのよ!」
東山秀造は表情を引き締めた。「確かに巻き込まれてはいるが、私たちはただの目立たない小さな存在だ。もちろん、大きなリスクもあるから、今回の危機が無事に過ぎ去ることを祈るしかない」
言うのは簡単だが、彼らは皆わかっていた。
無事に乗り切るのは、難しい……
しかし彼らには何もできなかった。
具体的に何が起きたのかもわからず、東山裕がどこにいるのかもわからない。彼らには手の打ちようがなかった。