第448章 横浜市の大家族

「私たちは大丈夫よ」鴻野美鈴は首を振り、立ち上がって海野桜の手を引いて座らせると、直接彼女に尋ねた。「裕が何をしたか知っているの？」

「知りません」海野桜は首を振った。「警察が捜索に来る前は、何も知らなかったし、東山裕からも連絡はありませんでした」

鴻野美鈴はため息をついた。「私たちもよ」

彼女の声には、疲労と心配が濃く滲んでいた。

鴻野美鈴はいつも元気で、年を取っていても若者のように活気に満ちていた。

これは海野桜が初めて彼女の老いた疲れた様子を見た瞬間だった…

実は彼女だけでなく、自分も東山裕のことをとても心配していた！

東山秀造だけは比較的冷静で、低い声で言った。「心配するな、東山裕はそう簡単に事件に巻き込まれるような男ではない！」

そう言っても、二人の女性が心配しないはずがない…

一人は母親、もう一人は妻、彼女たちが東山裕を心配しないわけがない！

海野桜は不思議そうに二人に尋ねた。「お父さん、お母さん、私を呼んだのは何か相談があるんですか？」

彼女が尋ね終わるや否や、執事が報告しに来た。「ご主人様、奥様、書斎の準備ができました」

東山秀造はうなずき、立ち上がって二人に言った。「中へ入りなさい！」

「行きましょう、桜、書斎で話しましょう」鴻野美鈴は海野桜の手を引いて後に続いた。

先ほどの警察が捜索の際に、こっそり家の中に不審なものを仕掛けたかもしれないと心配して、東山秀造は書斎を徹底的に調べさせたのだ。

書斎に問題がないことを確認してから、彼らは中に入って話し始めた。

書斎のドアはしっかりと閉められていた——

東山秀造は威厳を持ってソファに寄りかかり、低い声で言った。「君たちは知らないだろうが、東山裕が今回横浜市へ行ったのは、あの連中を告発するためだ！」

海野桜と鴻野美鈴は驚いた。

彼女たちは当然、彼が何を言っているのか理解できた。

ただ、東山裕が告発しに行ったとは知らなかった…

海野桜は緊張して尋ねた。「だから彼らは黙っていられなくなって、彼に手を出したんですか？」

東山秀造はうなずいた。「おそらくそうだろう！」

「じゃあ裕は危険な状況にいるんじゃない？」鴻野美鈴はとても心配そうだった。「彼一人で外にいて、危険に遭ったらどうするの？」