第447章 東山裕を心配して……

なんとトイレまで見逃さないなんて!

海野桜は冷淡に扉を開け、ドア前に立っていた警察官は彼女の手の中の携帯電話を疑わしげに見た。

「東山夫人、あなたの電話を少し確認させていただけますか?」

海野桜は冷笑した。「どうして?東山裕に連絡するのを恐れているの?それは私の自由でしょう。あなたたちにはまだ管理する権利はないはずよ」

警察官はただ淡々と言った。「もし彼に連絡が取れたら、早急に警察署に来て調査に協力するよう伝えてください。正直に話せば寛大に、抵抗すれば厳しく処分されますからね」

「申し訳ありませんが、私の夫は犯罪を犯す必要など全くありません!彼は何も不足していないので、全く必要ないのです!」

警察官は口角を少し引き上げた。「物事には絶対というものはありません。とにかく、彼に連絡が取れたら、早く戻って調査に協力するよう説得してください」

言い終わると、警察官は浴室に入り、あちこち捜索し始めた。

一方、海野桜は各使用人に一部屋ずつ見張らせ、警察官たちを監視させ、家の物を壊すことを許さなかった。

彼女も至る所を監視し、警察は彼女に多くの質問をしたが、彼女は何も言わなかった。

使用人たちも彼女と同様に口を固く閉ざし、何も言わなかった。

しかし使用人たちも何を言うべきか分からず、彼らは何も知らなかった。

海野桜も東山裕がなぜ問題に巻き込まれたのか分からなかったが、推測することはできた。おそらくあの機密に関係しているのだろう……

背後にいるあの人たちが座っていられなくなり、東山裕に手を出したのだろうか?

……

警察は長い間捜索し、どこ一つ見逃さなかったが、残念ながら何も得られなかった。

東山裕は確かに法を犯す必要がなく、家には当然何の証拠もなかった。

海野桜は彼らが何も見つけられないことを知っていたが、それでも緊張していた。

彼らが何も見つけられずに去るまで、彼女はようやく安堵のため息をついた。

同時に、両脚にも力が入らなくなった。

海野桜は急いで壁につかまって立ち、張本家政婦も慌てて彼女を支えに来た。「お嬢様、大丈夫ですか?」

海野桜は首を振った。「大丈夫……」