第469章 東山裕はどうしたの

「ガチャン——」

鴻野美鈴の言葉が終わるか終わらないかのうちに、東山輝昭は突然テーブルの食器を一気に払い落とした！

皿は全て床に落ち、粉々に砕け散った……

全員が彼の行動に驚愕し、海野桜はさらに怖くて首をすくめた。

東山秀造が怒ろうとした瞬間、東山輝昭の手から血が流れているのを目にした。

先ほど彼があまりに力を入れすぎたため、ナイフで手のひらを切ってしまったのだ。

傷はかなり深そうで、血が絶え間なく流れ出し、すぐに白いテーブルクロスを染めていった。

しかし東山輝昭は手を上げて見るだけで、まったく気にしていない様子だった。

だが、彼の口から出た言葉は、聞く者の背筋を凍らせるものだった。

「残念だな、お前たちに血の代償を払わせるつもりだったのに、血を流したのは俺の方だった」東山輝昭は唇を歪めて笑った。「今日はお前たちの運がいい。俺はすでに血を見たから、今日のところは許してやる」