でも東山裕はあんなにキャリア志向が強いのに、本当にそんなつもりなの?
「妻よ、僕は本気だよ。一緒に会社を経営してほしいんだ。僕一人だと時々疲れてしまうから」東山裕は真剣に言った。
海野桜は彼が本当に冗談を言っているわけではないと分かり、うなずいて同意した。「わかったわ、あなたの負担を分かち合えるように学ぶわ。あなたが仕事で疲れているのを見るのは辛いから」
東山裕はすぐに喜んで彼女の頬にキスをし、続いて予防線を張った。
「でも会社の経営は大変だよ、耐えられる?」
海野桜は胸を叩いて、大きく約束した。「安心して、どんなに大変でも頑張り抜くわ!私、海野桜が決めたことは、絶対に諦めないから!」
東山裕は大笑いして、期待を込めて言った。「これからは家でサボって子供の面倒を見ることができそうだね」
子供の話が出て、海野桜は躊躇いながら言った。「東山裕、前回私は妊娠してなかったの...」
東山裕はそれを聞いても少しも驚かなかった。
「もう知ってたよ!」
「いつ知ったの?」海野桜は不思議そうに尋ねた。
「帰る前にすべて調べておいたんだ。そうでなければ、どうして東山輝昭が会社を奪う日に合わせて戻ってこられたと思う?」
海野桜は小さな声で尋ねた。「じゃあ、失望した?」
東山裕は彼女の頭をなでながら、「もちろん失望したよ。でも大丈夫、いつか子供ができるさ。こういうのは縁だから、無理強いはしない」
「もし私がずっと妊娠できなかったら?」海野桜はさらに尋ねた。
「どうして妊娠できないなんてことがあるの?」
海野桜は心配を抑えきれずに言った。「私たちが一緒にいる間、お腹に何の動きもないでしょう。自分が妊娠できないんじゃないかって心配なの」
「なら子供はいらない!」東山裕は考えもせずに言った。「もし本当にできないなら、諦めよう!」
「でもあなたが子供なしでいられるわけない」
「なぜ僕が子供なしでいられないの?」東山裕は眉を上げ、彼女を見つめながら深い愛情を込めて優しく言った。「僕にとっては、海野桜だけで十分だよ!」
海野桜の鼻が一瞬つんとした。
彼女は彼の首に腕を回し、優しく言った。「私もよ。あなたがいるだけで十分...でも、やっぱりあなたの子供を産みたい、あなたの子供を」