東山裕は西部地区の開発権といくつかの土地を買い取りたいと思っていた。
しかし、庄野グループのオーナー、庄野民男は売る気がなかった。
一方で東山裕も自分が持っている不動産や土地を売ろうとしなかったため、庄野民男の開発はまったく進められなかった。
そのため両者は膠着状態に陥り、誰も譲らなかった。
海野桜が彼の書類を整理しているとき、疑問に思って尋ねた。「あなたは本当に自分で開発するつもりなの?」
東山裕は笑って言った。「僕はただ買い取ってあなたにプレゼントしたいだけだよ。」
海野桜は驚いた。「私にプレゼント?!」
「うん。」
海野桜は本当に衝撃を受けた。あれだけの土地と不動産をすべて彼女にプレゼントするなんて、それはどれほど膨大な財産だろうか。
東山裕の理由は、「あの地区はいずれ開発されることになる。でも、おじいちゃんにはずっとそこに住んでいてほしい、天寿を全うするまで。将来おじいちゃんがいなくなったら、あなたがあの地区を開発できるようにね。」
海野桜はあまりの衝撃に言葉が出なかった。
東山裕は眉を上げた。「どうしたの?何か問題ある?」
「いらない!」海野桜は突然拒否した。東山裕は不思議そうに「なぜいらないの?」と尋ねた。
海野桜も自分でなぜ欲しくないのかわからなかった。ただ欲しくないだけだった。
「なぜ?」東山裕はどうしても答えが知りたかった。彼は彼女の体を引き寄せ、自分の膝の上に座らせた。
「妻よ、僕があなたにプレゼントするのは良くないの?」
海野桜は小さな声で言った。「いいよ、でも多すぎると思わない?あんなに広い地区を買い取るなんて、少なくとも十数億はするでしょう。どうしてそれを私にプレゼントできるの?!」
東山裕は笑った。「なぜあなたにプレゼントできないの?」
「多すぎるよ。」
「あなたは僕の妻だよ。どれだけ多くのものをあげても当然じゃないか?」
「でも、あなたの妻は役に立たないよ。」海野桜はぶつぶつと言った。「私は何もできない。どうしてあなたは私にそんなに優しいの?私は突然、あなたがそんなに優しくしてくれる価値がないことに気づいたの...」