第478章 彼と一緒に出勤する

東山裕は思った、印象がないほうがいい。

さもなければ、あの少年は災難に遭うだろう。

しかし、帰り道で、彼はやはり我慢できずに尋ねた。「今までに一体どれだけの人があなたを追いかけたの?」

その答えは彼をとても憂鬱にさせた。

「たくさんよ、毎日学校に行くと、机の中にはいつも何通かのラブレターが増えていたわ。」

海野桜は学校の男子たちの人気者だった。

東山裕も青臭い若者時代を経験してきた。

彼は学生時代の男子がどんな女の子を好むか知っていた。一般的には海野桜のような子だ。

要するに可愛くて美しい子だ。

さらに海野桜は雰囲気も良く、それがより人々に好かれる理由だった。

だから彼は知っていた、海野桜は本当に毎日たくさんのラブレターを受け取っていたことを。彼も学生時代は同じで、いつも女の子からラブレターをもらっていた。