第473章 互いに火気を下げよう

なぜなら……

「海野桜、これからは彼に近づかないで、絶対に彼に近づいたり、信じたりしないで、彼は本当に危険だから!」東山裕は答えず、ただそう言った。

海野桜の目が揺れ、再び尋ねた。「一体なぜなの?東山裕、どうして教えてくれないの?」

なぜなら彼は何から話せばいいのか分からず、さらには言い出す勇気もなかったからだ。

東山裕はもう答えず、ただ海野桜をしっかりと抱きしめ、黙り込んでいた。

彼はもう話さなかったが、海野桜は彼の違う雰囲気を感じ取ることができた。

東山裕はこれほど心配したことがなく、一人の人物をこれほど警戒したこともなかった。

海野桜はますます疑問に思った。

東山輝昭は一体誰なのか、どれほどの力を持っているのか、そして何をするのだろうか?

この夜、海野桜と東山裕は共に複雑な思いを抱えていた。