第488章 だからこそ君が好きなんだ

「復讐のためでもあるんだ!」

海野桜は驚いた。

彼女は呆然と尋ね返した。「復讐のため?あなたの言う意味は...」

「そう、彼らに復讐するためだ!」東山輝昭はうなずき、まるで他人の話をしているかのようだった。「敵は強すぎた。この方法しか、彼らと対抗する力を得る手段がなかったんだ。いや、今日まで生き延びるためには、私も絶えず強くならなければならなかった。だから言ったんだ、これはすべて命を懸けて手に入れたものだと」

海野桜は長い間言葉を失っていた。

東山輝昭は笑みを浮かべた。「私の過去に同情してるのか?」

海野桜は我に返り、うなずいた。「ええ、とても同情します」

「それに比べて、東山裕は恵まれすぎてるだろう?」

確かに、二人の世界は、一方は天上、もう一方は地下のようだった。