「私はやってない!彼女を押し倒して逃げただけで、湖に突き落としたりなんてしてない!」橋本友香は反論した。
「あなたがやったかどうかは、さらに調査します」警察官はそう言って立ち去った。
橋本友香は海野桜の方を見て、心配そうに尋ねた。「桜、もし彼らが私の潔白を証明する証拠を見つけられなかったらどうしよう?でも本当に私は庄野沙耶を殺してない」
海野桜は彼女を慰めた。「友香、あなたがやっていないと信じてるわ。心配しないで、あなたがやっていないなら、真実はいつか明らかになるわ」
「でも今はみんなが私を疑っている…」
「私たちが最高の弁護士を雇うから、怖がらないで。きっと大丈夫よ」海野桜はそう言って東山裕の方を見た。
彼女が口を開く前に、東山裕が言った。「弁護士のことは手配します。ただ、この事件はかなり厄介かもしれません」
「どうして?」海野桜は不思議そうに尋ね、橋本友香の心も一瞬で締め付けられた。
東山裕は低い声で言った。「この庄野沙耶は、もし私の推測が正しければ、庄野グループの社長の娘です」
海野桜と橋本友香は驚愕した!
橋本友香は庄野グループについてあまり詳しくなかったが、相手が手ごわいことはすぐにわかった。
彼らは絶対に彼女を簡単には許さないだろう…
海野桜もこんなに偶然が重なるとは思っていなかった。
庄野沙耶が庄野民男の娘だったなんて…
庄野沙耶のバックグラウンドがこれほど強力なのに対し、橋本友香には何もなく、彼らと戦うことなどできない。
もし彼らが橋本友香が庄野沙耶を殺したと決めつけたら、きっとあらゆる手段で報復してくるだろう。
東山裕が突然言った。「この件は柴田治人に知らせるべきだ!柴田グループと庄野グループの関係は良好だから、彼に間に入ってもらえば、衝突は少なくなるだろう」
そう言うと、彼は携帯を取り出して弁護士の手配をし、同時に柴田治人にも連絡した。
橋本友香は柴田治人の名前を聞いて、目が揺れ、心の中はさらに苦しくなった。
なぜなら、彼女は柴田治人が自分を助けてくれないことを知っていたから…
案の定、柴田治人はすぐにやって来た。
事の経緯を知ると、彼は冷たく橋本友香を見て言った。「お前が殺したのか?」
「私じゃない—」橋本友香は激しく首を振った。