第199章 - 俺はお前を信じていた

質問をした後、デビンは父親がどのようにしてロビンからお金を借りたのか不思議に思った。

それは父親らしくない行動だった。

しかし、ロビンはすでに答えを用意していた。

「君の家族には必要な資金は全てある。私の助けは必要ないし、お金の出所は父親に聞けばいい」

デビンは頷き、マチルダを迎えに邸宅に行った時に父親に聞こうと心に留めたが、まだ一つ気になることがあった。

「映像を確認しても何も記録が残っていなかったのに、どうやって動画を入手したんだ?記録が全くなかったから、マーティンがやったとは信じられなかったんだ」

ロビンは違法な隠しカメラのことは話せなかった。彼は簡潔に答えた。

「彼女を守る方法は私なりにある」

デビンはロビンの助けに改めて感謝せずにはいられなかった。

もしそうでなければ、親友の心の中の邪悪さに気付くことはなかっただろう。

「ありがとう。もう行かなきゃ」

ロビンは彼が初めて人間らしく振る舞い、平和裏に別れることができたことを喜び、引き止めなかった。

彼はすぐにコビーに電話をかけ、相手は一度目のコールで出た。

「ロビン、すべて上手くいったけど、動画のことは大丈夫なのか?」

コビーはまだ、プレスに約束した証拠のことを心配していた。そのため尋ねた。

ロビンはダニエルがすでに作業を終えていたので微笑んで言った。

「今送るから、見てから掛け直してくれ」

コビーは急いで答えた。

「分かった」

ロビンは通話を終えるとすぐに動画を送信し、短い動画だったため、コビーは5分もしないうちに落ち込んだ様子で電話を掛けてきた。

「かわいそうな娘だ。彼が与えたものが妊娠に悪影響を及ぼさなかったことが救いだ」

もしそうなっていたら、コビーはどうすればよかったか分からなかった。

ロビンはその点について考えもしなかった。あそこでマーティンの顔をもっと殴っておけばよかったと後悔した。

「双子を妊娠しているんだ」とロビンは苦々しい口調で明かした。

とにかく、明日には動画を拡散させるつもりだった。株式を取り戻すためなら何でもするつもりだった。

「本当か?」コビーは驚いた様子で尋ねた。