第200章 - 彼は良い人間に変わったから

マーティンは、ロビンとの出来事の後、ビデオに関してマーラと話し合うために家に帰ることを切望していた。不意を突かれたくなかったからだ。

ロビンのことを知っているだけに、彼は空威張りはしない。そしてマーラにも強力な後ろ盾がいた。

そのため、マーティンは誰を信じていいのか分からなかった。

また、署名済みの書類を彼女のところに持って行き、会社を彼に譲渡する署名をしてもらう必要があった。

ブリーフケースに書類を入れて、ドアに手をかけた瞬間、蹴りが入り、よろめいて後ずさりしたが、ブリーフケースはしっかりと握りしめていた。

「このクソ野郎、俺はお前を信じていたのに」

デビンは激怒し、目から火を噴いていた。これまで父親や婚約者に逆らってまで、信頼と忠誠を持って支えてきた友人だった。

妹の最高の結婚相手だと思っていた男が、クズ野郎だったとは。

マーティンは蹴られてよろめいたが、倒れはしなかった。目に痛みが走ったが、それは蹴りによるものではなく、親友のデビンに誤解されたことによる心の痛みだった。

説明しようと思った。

「これは全部サブリナのためなんだ。彼女と結婚したいんだ。これは俺たち二人が望んでいたことじゃないのか？」

デビンは悪魔のように笑った。怒り狂って、マーティンに飛びかかり、顔を三発殴り、彼は机の上に倒れた。

ブリーフケースも手から落ち、なぜか開いてしまい、中の書類が露わになった。

マーティンは身を守ろうとも防御しようともしなかった。少なくともデビンに計画を知らせるべきだったと感じていたからだ。マーラが関わっていたため、それができなかったのだが。

急いで書類をブリーフケースに詰め直そうとしたとき、デビンはサブリナのオフィスで見たものと同じ書類を目にした。

マーティンが手を伸ばす前に、デビンは彼の顎を蹴り上げ、マーティンは舌を噛み、口から血を流しながら転倒した。デビンは身を屈めて、二十ページほどの書類を拾い上げた。

「妹に薬を飲ませ、嘘をつき、結婚したいからって書類にサインさせたのか？」

デビンは憎しみの眼差しでマーティンを睨みつけながら、書類を一枚一枚引き裂き始めた。マーティンは紙が破れる音とともに心が沈み、目の奥に涙が込み上げてきた。