「赤ちゃんが生まれたら周りの人が世話を手伝ってくれるけど、妊娠中は誰も代わりに赤ちゃんを抱えてくれないってことも忘れないでね」とサブリナは思慮深く言った。
彼女の最初の結婚は見合い結婚だったが、今回は二人とも恋に落ちていて、結婚式を最大限楽しみたいと思っていた。
リジーは姉が結婚という言葉に目を輝かせるのを初めて見て、嬉しかった。
「それで、いつ結婚したいの?」とリジーは真剣に尋ねた。もし姉が近いうちに結婚するのなら、自分の結婚式の日取りはそれまで待とうと思っていた。
「出産から回復してからね。帝王切開になるか自然分娩になるかによるわ。そういうことは予測できないものよ」とサブリナは正直に答えながら、ロビンのためのテストも用意していた。
リジーはそのテストについて知らなかった。それはサブリナとマチルダの間だけの秘密だった。
「わかるわ。ただ、ダニエルが結婚後に変わってしまうのが怖いの。私のことを世界の中心のように扱ってくれるけど、もし彼が悪い夫に変わってしまったら耐えられない」とリジーが心配を口にすると、サブリナは首を振った。
リジーがそう言うのは、サブリナの最初の結婚が原因だということは明らかで、妹の心配を取り除こうと決意した。
「リジー、ダニエルが将来良い方向に変わるか悪い方向に変わるかは私にもわからないけど、人生における全てのこと、愛に関することも含めて、リスクがあるということを理解しないといけないわ」
リジーは唇を引き締め、姉のアドバイスを考えた。これが初めての恋愛で、彼には女性関係で悪い評判があった。
しかし、姉の言うことは正しいとも分かっていた。ダニエルはロビンや他の男性とは違う。姉の悪い経験があるからといって恐れる必要はなかった。
サブリナ自身も、かつて自分を酷く扱った同じ男性と今は幸せなのだから。
「そうね。私の結婚式は1ヶ月後に決めるわ。それで、パリはどうだった?」とリジーは好奇心を持って尋ねた。パリのどんな魔法が姉をこんなに幸せにしたのか知りたかった。
サブリナはパリで起こった全てを思い出して微笑んだ。人生で最高の時間で、ロビンがそこで言ってくれた全てが本心だと分かっていた。
「リジー、パリは私たちに起こった最高のことだったわ。ロビンは私をとても幸せにしてくれて、もう一度彼と結婚したいくらいよ」