しかし、眠気が徐々に襲ってきた時、トリスタンは彼女の手が自分の胸に触れるのを感じて目を見開いた。
「....」
トリスタンが彼女の方を向くと、二人の間の障壁が消えていることに気づいた。彼女は彼の胸に手を置いて、体を丸めて横たわっていた。
「なぜこんなことを?寒いのかな?」
トリスタンは彼女の足元に落ちている毛布を見て考えた。
突然乾いた喉を潤そうと、彼は唾を飲み込み、心を落ち着かせようとした。
そして、
トリスタンはゆっくりと体を彼女の方に向け、優しく彼女の腰に手を置いた。彼は静かに彼女を引き寄せた。
彼女の頭が自分の腕の上に乗り、腕の中にぴったりと収まったことを確認してから、自分の毛布を取って二人を包み込んだ。
トリスタンはベラが目を覚まして離れていってしまうのを恐れて、身動きひとつ取れなかった。このチャンスを逃すわけにはいかない、そう思った。朝までこのまま眠っていられたらと願った。