彼を責め苦

しかし、眠気が徐々に襲ってきた時、トリスタンは彼女の手が自分の胸に触れるのを感じて目を見開いた。

「....」

トリスタンが彼女の方を向くと、二人の間の障壁が消えていることに気づいた。彼女は彼の胸に手を置いて、体を丸めて横たわっていた。

「なぜこんなことを?寒いのかな?」

トリスタンは彼女の足元に落ちている毛布を見て考えた。

突然乾いた喉を潤そうと、彼は唾を飲み込み、心を落ち着かせようとした。

そして、

トリスタンはゆっくりと体を彼女の方に向け、優しく彼女の腰に手を置いた。彼は静かに彼女を引き寄せた。

彼女の頭が自分の腕の上に乗り、腕の中にぴったりと収まったことを確認してから、自分の毛布を取って二人を包み込んだ。

トリスタンはベラが目を覚まして離れていってしまうのを恐れて、身動きひとつ取れなかった。このチャンスを逃すわけにはいかない、そう思った。朝までこのまま眠っていられたらと願った。

しかし、トリスタンは自分の弱さに気づいた。彼は普通の人間であって、聖職者でも聖人でもない。魅力的な妻が腕の中にいるのに、どうして欲望を抑えられるだろうか?彼女の柔らかな寝息を聞くたびに、血が騒ぐのを感じた。

欲望に従わないよう戦う自分の心に疲れを感じ始めた。

腕の中で眠る妻は今や拷問のように感じられた。彼女の唇にキスをしたい、柔らかな肌に触れたいという衝動を抑えられなかった。

パジャマの下に手を滑り込ませようとするたびに、彼女の意思に反して触れないという約束が頭に浮かび、警告するかのようだった。

15分が過ぎ、胸の詰まりを晴らそうと深呼吸を何度したかもう数え切れなくなっていた。

目を閉じながら、苦い笑みが彼の唇にこぼれた。今は彼女の柔らかさと温もりを楽しむことしかできない。

さらに数分が経過した。

トリスタンはようやく心を落ち着かせ、官能的な思いを少しずつ押し戻すことができた。

彼は優しく彼女の額にキスをして囁いた。「おやすみ、愛しい妻よ...」

そして、眠りにつこうとした。

しかし、

再びベラは彼の忍耐を試すかのように、欲望を抑えようとしている時に体を動かし、同時に誘惑的な寝息を漏らした。彼は彼女が意図的にそうしているわけではないと信じ込もうとした。