049 冷血無情

「今日は君のおかげで、これからの夕食は美味しい料理が食べられるし、やっと薪割りの苦労から解放されるわ!」森田美並は嬉しそうに言った。「誰かさんが薪を盗むこともなくなるわね!」

ここでいう「誰かさん」が誰を指しているのか、その場にいる全員が分かっていた。

「みんなが剛士くんを探すのを手伝ってくれたからよ。私一人の功績じゃないわ」矢崎粟は笑いながら言い、そして小島一馬の方を向いて、「あなたも見たでしょう?剛士親子の生活状態があんなに悪いのに、どうしておばあさんの誘いを受けたの?」

矢崎粟の質問は皆の疑問でもあり、今や全員が小島一馬を見つめ、彼の説明を待っていた。

「ただ彼らを助けたいだけだ」小島一馬は落ち着いた声で、それだけを言った。

「???」

皆は困惑した表情で、お互いを見合わせながら、小島一馬からの更なる説明を待ち続けた。