063 正義の使者

【かわいい、かわいい、小島一馬が一番かわいいわ!!】

【確かにかわいいけど、小島一馬の笑顔が...なんか怖くない?】

【そんなことないよ?小島一馬はとても優しいと思うわ。矢崎若菜と矢崎美緒が四字熟語を知ってるか気にかけてくれたじゃない!】

【上のコメント主さん可愛いね。でも誰が他人の四字熟語の知識を気にするの?「横取り」って四字熟語知ってる?なんて聞くかな?】

小島一馬が優しくて思いやりがあると言ったネットユーザーは純粋な視聴者で、さらに質問を投稿した:

【どういう意味?】

ネットユーザーたちは彼の素直な質問を見て、思わず笑みがこぼれ、次々と返信した:

【小島一馬は明らかにわざとだよ!】

【この四字熟語は矢崎家の兄妹にとって特別な意味があるはずだよ。そうでなければ、小島一馬がこんなに何度も言及するはずがない。】

【矢崎家には何か裏話があるような気がする。話が聞きたい!!芸能記者の皆さん、早く暴露して!!】

【小島一馬が直接言わない話...もしかして話したら大事になっちゃうのかな?】

【矢崎美緒の顔が真っ青になったわ、きっと大スクープよ!!】

……

ネットユーザーたちが小島一馬の意図を推測している間、矢崎若菜はまだ小島一馬と対峙していた。

矢崎若菜には分からなかった。なぜ小島一馬がこんなに攻撃的なのか。

どうしても美緒に答えさせなければならないのだろうか?

美緒はあんなに優しくて可愛いのに、小島一馬はどうしてこんな風に追い詰めることができるの!

矢崎美緒が小島一馬の威圧的な態度に耐えきれず、口を開こうとした時、矢崎粟が適切なタイミングで場の緊張を解いた。

「小島一馬、私疲れたわ。あなたが先にお風呂に入らないなら、私が先に入るわ」

小島一馬はようやく威圧的な態度を収め、振り返って優しい表情で矢崎粟を見つめた。「粟が疲れてるなんて早く言ってよ。早く洗面用具を取りに行って、私が先に適温に調整しておくから!」

小島一馬が協力的な態度を見せたので、矢崎粟は密かにほっとして、二重の意味を込めて「ありがとう、小島一馬」と言った。

小島一馬の笑みはさらに深くなった。「どういたしまして。早く行ってきて」