矢崎若菜は小島一馬が面白がって見たがっている気持ちを知らないはずがなく、彼にその面白さを見せたくなかった。
矢崎若菜は小島一馬をちらりと見て、「私自身が食欲がないだけよ」と言った。
小島一馬は口元を歪めて、このまま彼を見逃すつもりはなかった。「彼女との兄妹愛を示すために、半生半熟の料理に向かって、よくそんな勇気を出して食べられたものだね。でも相手は君の犠牲なんて気にも留めず、君を放っておいて自分だけ気ままに行ってしまったみたいだけど」
矢崎粟は矢崎家にいた時、きっと矢崎美緒にさんざん苦労させられたはずだ。今、彼はわざとこの件を明らかにした。矢崎美緒のかわいい天使キャラがどうやって成り立つのか、見てやろうじゃないか!
そして、日頃ネット上で矢崎美緒を擁護し、矢崎粟を攻撃している矢崎若菜のファンたちに、彼らが守ってきた天使様の矢崎美緒が、どれほど偽善的な人間なのかを見せてやろう。