矢崎美緒の言葉は明らかに矢崎若菜の前で矢崎粟への憎しみを煽るものであり、矢崎若菜も彼女の予想通り、矢崎粟に不満を抱くようになった。
「矢崎粟は今回本当にひどすぎる!」矢崎若菜は眉をひそめて矢崎美緒のために憤慨した。
今回の矢崎粟のやり方は矢野常を苦しめただけでなく、矢崎美緒まで巻き込んでしまった。
矢崎若菜は矢崎粟があまりにも情け容赦ないと思った。確かに兄と自分が矢野常に美緒の面倒を見てもらうように頼んだことだが、以前矢崎粟にもその話をしたとき、彼女も快く承諾していたのに。
しかし今になって彼女は逆に噛みついてきて、美緒と矢野常の関係が怪しいと言い出し、さらに矢野常の美緒への気遣いを気に入らないと言って矢野常と別れてしまった。これは明らかに美緒を第三者として悪く見せようとしているではないか?