119 旧情を忘れる

今、彼らがまずやらなければならないのは、矢野常の二股をかけた渣男というイメージを払拭することだった。

矢野常は少し考えて、「わかった、今すぐツイートする」と言った。

矢野常はすぐに林紅子の言葉通りにツイートを投稿した。

このツイートを見た後、まだ彼を信じ続けているファンたちはほっと胸をなで下ろし、コメント欄で「信じています」と次々に書き込んだ。

続いて林紅子は直ちにPRチームに指示を出し、ネットユーザーの矢野常に対する憎しみを逸らし始めた。

矢野常の動向を注視していた矢崎弘もすぐに紫音のPRチームと共に林紅子に協力した。

彼らの共同努力の下、ネットユーザーの注目は矢崎粟に戻り、彼女の録音の信憑性を疑い始めた。

小島一馬側の対応も素早く、矢野常と矢崎美緒の密会写真がすぐにネット上に流出した。