「下校の時間だ。」矢崎粟は最後のかき氷を食べ終わると、ちょうど幼稚園の下校時間になった。
「こんなに人がいるのに、さっきから森村さんの姿が見えないけど、今日は子供を迎えに来ないのかな?」矢崎泰はずっと門の前で待っている保護者たちを注意深く見ていたが、森村博人の姿は見かけなかった。
「森村さんは子供のことをとても大切にしていて、ほぼ毎日自分で迎えに来るのよ。」矢崎粟は矢崎弘と対立することを決めてから森村博人のことを注目し始め、彼のことをよく知っていたので、確信を持って言った。
案の定、しばらくすると二人は森村博人の車を見かけた。何らかの理由で、今日の森村博人は遅かった。ほとんどの園児が保護者に迎えられた後にようやく到着し、急いで車を停めると幼稚園へ走っていった。