スタッフは競売に参加する人々を集め、展示ホールに集合させた。
この時、骨董品はガラスケースから取り出され、全員の手に渡されていた。
ホールには長大なテーブルが設置されていた。
テーブルには赤い布が敷かれ、その上に競売参加者の番号が書かれており、皆は順番に自分の位置を探した。
矢崎粟の番号は渡部悠人たちと連続していたため、自然と同じエリアに立っていた。
そして川上家のテーブルは彼らの左手側にあった。
この時、川上家のテーブルには既に多くの展示品が箱に包まれて置かれていた。
続いて、司会者が資格証書のある骨董品を発表し、等級も読み上げられ、会場の全員が聞けるようにした。
矢崎粟は川上夕子を見て、笑いながら言った。「川上さん、今朝競売会場の入り口で何を言ったか覚えていますか?本物の骨董品を全部買い占めると言いましたよね。それなら、あなたの前にある骨董品は全部本物なんでしょうね?」