246 真っ向から対立

矢崎美緒と矢崎政氏を責めるべきなのだろうか?

しかし、当時は彼も矢崎粟を傷つけた一人で、しかも矢崎美緒をよく助けていた。今になって矢崎粟の味方をするのは、偽善的に見えてしまう。

矢崎粟は今とても強くなっていて、彼の庇護など必要としていない。

矢崎政氏は涙を浮かべ、心は苦しかった。

今や矢崎粟は謝罪さえ受け入れようとしない。これは矢崎家の者たちが矢崎粟を深く傷つけたことの証だった。

「もう二度と私に関わらないでください。それが私への最大の償いです。分かりましたか?」矢崎粟は冷たく言った。

その言葉は率直すぎて、人を傷つけるものだった。

しかしその場にいた誰も、矢崎粟がやり過ぎだとは思わなかった。むしろ矢崎粟は本当に優しすぎると感じた。

ただ矢崎家との関わりを持ちたくないだけだった。