252 くじ引き

アシスタントは皆の前で、ガラスケースから一枚の紙を取り出した。

紙には「小島一馬」と書かれていた。

名前が発表されると、歓声が上がった。

小島一馬も隠さず、矢崎粟に向かってにこにこと言った。「粟、僕があなたを引けたらいいな。そうしたらまた一緒にお金を稼げるから」

これは最後の番組で、小島一馬はこの機会を逃さず、矢崎粟ともっと過ごしたいと思っていた。

矢崎粟は微笑んで「いいわよ、頑張ってね!」と言った。

そう言いながらも、矢崎粟は背後の人が小島一馬に自分を引かせないだろうと感じていた。

結局のところ、小島一馬がいれば、矢崎粟は助力を得られる。

もし背後の人に計画があるなら、それも実行しにくくなる。

案の定、小島一馬がステージに上がって紙を引いて開けてみると、そこには矢崎美緒の名前が書かれていた。