「問題ありません」藤田川は頷いた。
その後、矢崎粟は再び尋ねた。「最近、中華街で稼げる大会はありますか?」
大会で稼げるなら、それは簡単だ。
そんなに時間をかける必要もない。
「大会か……」藤田川は少し考え込んでから言った。「街の南側で最近、アーチェリー大会が開催されています。チームでの参加のみで、上位3チームには賞金が出ます。アーチェリーに自信があるなら、試してみるといいですよ」
大会で稼ぐのは、より良いバラエティ効果も期待できる。
矢崎粟は頷いて、「誰かアーチェリーができる人いますか?」と聞いた。
中華街でアーチェリー大会が開催されるのは意外ではない。アーチェリーは古代からのスポーツで、ルールも簡単で、的の中心を射抜くのが最高得点だ。
師匠は以前、矢崎粟にアーチェリーを教えていた。
アーチェリーに関して、矢崎粟は天才と言えるほど、技術が優れていた。
藤田川は言った。「私はアーチェリーができます。チームは6人一組で、各自の得点が累計され、最高得点のチームが勝利します。だから一人一人が重要なんです」
的に当てられない人がいると、チームの総得点に影響が出てしまう。
「できますか?」藤田川は矢野常と矢崎若菜に向かって尋ねた。
二人は首を振り、申し訳なさそうに「できません、習ったことがないので」と答えた。
そのとき、小島一馬が外から入ってきて、笑顔で言った。「僕はアーチェリーができますよ。僕も加えてください!」
矢崎粟とチームを組めるなんて、光栄に思った。
小島一馬の後ろから、森田輝と矢崎若菜、それに矢崎美緒も入ってきた。
森田輝は笑って言った。「私はアーチェリーはできませんが、後方支援として水やタオルを持ってくることならできます」
「いいですね」矢崎粟は笑顔で答えた。
藤田川は矢崎美緒に向かって尋ねた。「あなたたちはできますか?」
矢崎美緒は誇らしげな目つきで「私はできます。以前、三兄とよく練習場に行って、コーチに教わっていました」と答えた。
最初は気軽に楽しむつもりだったが、まさか今、大会に参加できるとは。矢崎美緒は藤田川の顔をじっくりと観察した。
この人は容姿端麗で、その雰囲気は超然としており、小島一馬と並んでも少しも見劣りしない。