282 邪術を使う

「私の話し方はこうなの、変えられないわ。私の言い方が気に入らないなら、あなたの大切な妹の美緒のところに行けばいいじゃない。彼女は優しく話すから」矢崎政氏はそう言い捨てると、頭を下げておやつを食べ始め、もう矢崎若菜に構わなかった。

ただ願うのは、矢崎若菜が不運に見舞われた時に、兄弟たちに泣きつかないでほしいということだった。

矢崎若菜はその様子を見て、頭を背けて冷たく鼻を鳴らし、矢崎政氏と話す気はなくなった。

彼は藤田川の方を向いて、「藤田大師、バラエティ番組が終わってから、また不運を解消していただけませんか?」と尋ねた。

「それは私のスケジュール次第ですね。時間が取れるかどうかわかりません」と藤田川は答えた。

元々矢崎若菜の不運を解消するのも、縁があってのことだったのに、矢崎美緒に騙されてしまった。

矢崎若菜は慎重に言った。「大丈夫です。藤田大師のご都合に合わせます。お時間が空いた時に声をかけていただければ」

藤田川は軽く笑って、もう何も言わなかった。

明らかに、彼はもう矢崎若菜を助けたくないし、今後も連絡するつもりはないようだった。

ライブ配信の視聴者たちは次々とコメントを投稿した。

【矢崎若菜って本当にバカね、見てるこっちがイライラする。こんなに重い不運を背負ってるのに、まだ矢崎美緒をかばうなんて!】

【本当に頭が悪いわ、矢崎美緒の本性も見抜けないなんて。】

【ふん、これからどれだけ不運に見舞われるか想像できるわ。優柔不断な善人ぶりが災いを招くのよ。】

【不運になっても自業自得よ。誰が矢崎美緒を一番甘やかしたの?】

【矢崎若菜が粟に対してあんなに冷たいのに、偽物の妹の矢崎美緒にはこんなに優しいなんて驚き。矢崎美緒が彼を陥れても怒らないで、まだかばおうとするなんて、この二人の関係は普通じゃないわ!】

【矢崎美緒の心がこんなに邪悪だったなんて。邪術で兄を害するなんて、今じゃ彼女の顔を見るのも怖い。】

【矢崎美緒は本当に邪悪よ。運気を返したくないからって、気絶のふりまでするなんて!】

視聴者たちは矢崎美緒に怒り心頭で、同時に彼女について新たな認識を持ち、多くの人が彼女を恐れ始めた。矢崎美緒の人気は再び下がった。

この配信が終わった後、あるブロガーがこの配信の場面を編集して、事の顛末を整理した。