317 素顔

矢崎若菜は担架の上に横たわり、全身が痛み、骨が折れているようだった。

痛みで気を失いそうになりながら、目を開けて矢崎美緒を見た。

矢崎美緒は非常に不満そうな表情で、理解できないという様子で「お兄ちゃん、どうしてそんな態度をとるの?わざとじゃないって言ったでしょう。信じてくれないの?許してよ、もう怒らないで!」

彼女は苛立った表情で、早く解決したがっていた。

矢崎若菜は苦痛に目を閉じ、医療スタッフに向かって言った。「病院に連れて行ってください。体中が痛いんです。」

医療スタッフはすぐに担架を持ち上げ、アーチェリー場の外へ向かった。

救急車は場外の入り口で待機していた。

この時、矢崎若菜はようやく矢崎美緒の心がいかに薄情であるか、そして次男と四男が徐々に矢崎美緒から距離を置いていった理由を理解した。