335 法術を拒否する

矢崎政氏は深いため息をつき、矢崎若菜が以前矢崎粟を排斥し嘲笑していたことを思い出し、それほど意外には思わなかった。

同時に、彼は心の中で深い罪悪感を感じていた。

矢崎昌氏は心臓が高鳴り、矢崎粟の決意を感じ取った。

矢崎粟は目の前の二人の孫よりも、むしろ矢崎家の人らしく、彼は矢崎粟のこの答えに意外性を感じなかった。彼は予想していた、矢崎粟が手を貸さないだろうということを。

彼の心の中の目標は常に藤田大師だった。

矢崎昌氏は藤田川を見て、穏やかに言った:「藤田大師、私も以前の生配信を見ていまして、あなたが矢崎若菜の運気を見てくださったことを知っています。今回も手を貸していただけないでしょうか?報酬は大師のおっしゃる通りにいたしますが。」

藤田大師が手を貸せば、この件は安泰だ。

矢崎粟も藤田大師を見つめ、彼がどのような選択をするのか期待していた。

藤田川は少し笑い、意味深な目で矢崎若菜を見て言った:「それはあなたの孫が矢崎美緒に反噬が及ぶことを望むかどうかにかかっています。」

前回失敗した理由は、矢崎若菜が妹の不運を望まず、藤田川に法術を行わせなかったからだ。

今回は、矢崎若菜が同意するかどうかにかかっている。

矢崎昌氏は杖を強く叩き、矢崎若菜に怒声を上げた:「お前は矢崎美緒にこんな目に遭わされて、まだ優しい気持ちになるのか?」

もし矢崎若菜がまた優しい気持ちになるなら、もうこの孫の面倒は見ない。

矢崎若菜もわかっていた。もし彼が「いいえ」と言えば、祖父は本当に見放すだろう。

矢崎若菜はすぐに口を開いた:「もう優しい気持ちにはなりません。たとえ矢崎美緒が反噬を受けても、それは彼女の当然の報いです。私には関係ありません。藤田大師、どうか法術をお願いします!」

矢崎昌氏はこれを聞いて、心の中で満足した。

彼は笑顔で頷き、藤田川に向かって言った:「藤田大師、もしお引き受けいただけるなら、矢崎家は報酬だけでなく、所蔵の骨董品や書画も大師のお好きなものをお選びいただけます。」

夏目蓮もようやく安堵の息をついた。問題は解決できそうだ。