379 矢崎美緒を懲らしめる

利木健史は矢崎美緒のことが気に入らなかった。彼女は仲間たちを殴られる原因を作り、矢崎粟が玄学を使えることを隠し、今では金も払わずに引き延ばしている。

彼は大股で前に進み、矢崎美緒の腕を掴んで、歯を食いしばって言った。「俺たちはまだ医療費も請求してないのに、お前は金を払わないつもりか。天理も何もあったもんじゃない」

矢崎美緒は彼の凶悪な様子を見て、少し怖くなった。

彼女は冷静を装って言った。「払わないわけじゃないわ。ただ確認が取れてから払おうと思っただけ。二、三日のことでしょう。何を急ぐの？」

今日、彼女は髪の毛と血液を矢野夫人に渡すつもりだった。

利木健史は笑った。その笑い声は耳障りだった。

彼は横にいる仲間に合図を送ると、その男はポケットから短刀を取り出し、矢崎美緒の首に突きつけた。