370 他人の為に正義を振りかざす

観光が終わった後、4人は他のグループと一緒に夕食を食べる約束をした。

夕食を済ませ、今日の生配信は終了した。

矢崎粟がホテルに戻り、エレベーターを出たところで、無表情で大股で歩いてくる小林美登里を見かけた。

矢崎粟は大股で通り過ぎ、相手にしないつもりだった。

小林美登里は矢崎粟が人を無視するような態度を見て、さらに腹が立った。自分は彼女の実の母親なのに。

怒りを込めて言った。「矢崎粟、どういうつもり?私を見て見ぬふりをするの?」

矢崎粟は冷笑して言った。「とっくに絶縁したはずだけど。私には母親なんていないわ」

小林美登里は怒りを抑えて言った。「私のことを認めないのは構わないけど、罪のない人を巻き込む必要はないでしょう。澤家のことを暴露したのはあなたでしょう?」

彼女が今日来たのは、澤蘭子のために抗議するためだった。