矢崎美緒は住まいに戻ってシャワーを浴び、夕食を済ませた後、矢野夫人にメッセージを送り、品物を手に入れたことを伝えた。
澤蘭子はメッセージを見て、目に喜びの色が浮かんだ。
しかし矢野常は隣の部屋に住んでいるため、彼女が直接取りに行けば、必ず息子に気付かれてしまう。
そこで彼女は生活アシスタントに電話をかけ、取りに行かせた。
そしてアシスタントにそれを呪術師の住まいまで届けさせた。
今朝早く呪術師は中華街に到着し、澤蘭子が用意した場所に入居し、いつでも呪術を行える状態だった。
翌日午前9時、呪術師はアシスタントが届けた髪の毛と血液を受け取り、儀式の道具を並べ、法術を始める準備をした。
一方、矢崎粟はホテルを出て、再び道家協会へと向かった。
今日は用事もないので、藤田川を訪ねることにした。