藤田川を助ければ、背後にいる者もすぐに浮かび上がってくるだろう。
藤田川はため息をつき、ゆっくりと目を閉じて言った。「私には細かいことまでは占えません。ただあなたが一つの契機だということだけは分かっています。それ以外のことは分かりません。」
占い師は、自分のことを占うことはできない。
もし占ったとしても、天は明確な答えを与えてはくれないだろう。
矢崎粟は眉をひそめた。「それは難しいですね。」すべては手探りでやっていくしかない。
藤田川は目を開き、爽やかに笑った。「大丈夫です。これまで何年も待ってきたのだから、この程度の時間は大したことありません。」
そして、彼は矢崎粟の腰に下げた巾着を見て言った。「おそらく、あなたが玉壁の秘密を解き明かせば、すべてが明らかになるでしょう。」