457 凶気入り

矢崎粟は二人の病床に近づき、病状を観察し始めた。

二人とも顔色が青ざめ、唇は血の気がなく、体からは強い凶気が漂っており、重傷を負っているようだった。

このままでは、二人とも三日ともたないだろう。

矢崎粟はさらに近づいて、注意深く観察すると、二人の心臓の周りに濃い凶気が絡みついているのが見えた。

凶気は糸のように、心臓を縛り付けていた。

これは心臓の機能を著しく妨げていた。

矢崎粟は顔を上げ、結論を述べた。「二人とも体中に凶気が満ちていて、すでに心臓にまで入り込み、心臓に絡みついています。早急に取り除かなければ、三日以内に確実に死亡します。」

原東の目は深く沈み、表情は厳しかった。

矢崎粟の言うことは全て分かっていたが、解決する方法が全くなかった。

彼はため息をつき、「分かっている。だが心臓の周りは非常に複雑で、血管も脆弱だ。凶気を取り除く際に慎重さを欠けば、二人を直接死に至らしめる可能性が高い。この方法は危険すぎる。」