458 追跡を続ける

原東の携帯が鳴り、彼は画面を確認した。

そして、渋い顔で矢崎粟に言った。「残りの三人の隊員が追跡を続けた結果、二人の容疑者が死んでいるのが見つかった。」

矢崎粟の目に理解の色が浮かんだ。

背後の人物の冷酷さからすれば、二人を永遠に口封じするのは当然だろう。そうすれば、自分の身元が漏れるリスクはない。

しかし、ただ二人を殺すだけというのは考えにくい。

きっと何らかの偽装工作をしたはずだ。

矢崎粟は尋ねた。「彼らの死因は何だったの?」

原東は深い眼差しで、ゆっくりと語り始めた。「三人が中華街に戻る途中、二人の遺体を発見した。二人の体には符紙が貼られていて、外傷は見当たらなかった。隊員たちは二人を検査科に運んだ。検査科の報告では、この二人は内輪もめで法力を使い果たして死亡したため、体に傷がないとのことだった。」

矢崎粟は眉をひそめた。「検査科の人たちは、玄学大師に見てもらったの?」

原東は続けた。「見てもらいました。玄学大師も同じ見解でした。」

二人の表情には、深い疑念が浮かんでいた。

この二人の容疑者は逃亡中なのに、逃げることに専念せず、なぜ内輪もめなどしているのか?

最も重要なのは、玄学師として、なぜ法力を使い果たすまで戦うことがあり得るのか?

矢崎粟は嘲笑うように笑った。「どうやら、検査科は何かを隠蔽しようとしているようですね。」

原東も同じ疑念を抱いており、ため息をついた。

検査科は常に二部の管轄下にあり、道家協会とも関係が良好だったため、偽証の可能性は十分にあった。

これも彼が玄学管理所の整理整頓を望む理由の一つだった。

原東は諦めたように言った。「本当は遺体を見てもらって、もっと多くの情報が得られないか確認してほしかったんだけど、残念ながら遺体はもうないんだ。」

矢崎粟は眉をひそめ、問い返した。「もうないってどういう意味?」

遺体が破壊されたのか?

原東は携帯のロックを解除し、動画を開いて矢崎粟に見せた。

動画の中で二人はまっすぐに横たわり、目を見開いて、驚いたような表情をしていた。

そして、作業員が一枚ずつ二人の体から符紙を剥がしていき、最後の一枚を剥がした瞬間、二人の皮膚が一気に腐り始めた。

その速度は非常に速く、わずか数秒で二人の体は骨と水分に分解され、肉の塊と化した。