原東は頷いて、「じゃあ、とりあえずこれで。新しい手がかりが出たら、また連絡するよ」と言った。
その後、二人は連絡先を交換し、矢崎粟は病室を後にした。
病院を出るとすぐに、川上燕からメッセージが来て、一緒に食事をしたいとのことだった。
矢崎粟は承諾した。
食事の席で、川上燕は笑顔で近況を語った。
彼女はすでにマネージャーの資格を取得し、正式に仕事を始められるようになり、これからアーティストのマネジメントができるようになるという。
矢崎粟は笑って言った。「私の事務所にまた一人、優秀な戦力が加わるわけね。仕事が順調にいきますように!」
二人は乾杯し、テーブルの料理を楽しんだ。
昼食後、矢崎粟はオフィスに戻り、午前中の仕事を続けた。
事務所の最近の収益は好調で、エンターテインメント関連のリソースも良好だった。
彼女は発展計画をさらに管理し、他のプロダクション会社との新たな協力関係を築こうとしていた。
矢崎粟は事務所を業界のトップにしようと考えていた。
一方その頃。
玄学管理所から派遣された岡本大師が到着した。
小林美登里が最近体調を崩し、排泄困難も続いていたため、矢崎正宗は妻のために病院に病室を用意した。
この病室は矢崎若菜の病室の隣で、看病もしやすかった。
病室で。
岡本大師は診察を終えると、ため息をつき、首を振って言った。「申し訳ありませんが、私には力が及びません。この呪虫は入念に調合されており、毒性が極めて強く、強制的に取り出すことはできません」
この言葉を聞いて、矢崎正宗の目が暗くなった。
この有名な岡本大師でさえ取り出せないなら、一体どのレベルの大師なら治療できるのだろうか?
小林美登里は諦めきれず追及した。「本当に治療法はないのですか?わずかな可能性でも、試してみたいのです」
彼女はこの苦しみにもう耐えられなかった。
岡本大師は首を振り、無念そうに言った。「私の力不足で、本当に解毒術ができません。十分の一の把握さえありません。申し訳ありません!」
彼も解毒術を施したかったが、実力が及ばなかった。
矢崎正宗は眉間に不安を浮かべながら尋ねた。「このまま続くと、彼女の体にどのような影響が出るのでしょうか?」
小林美登里は時々わがままだったが、それでも彼は彼女と良い人生を送りたいと思っていた。