450 非正規職員

川上孝史は喜んで、「いいよ、後で原部長に話しておくから。とにかく、君は私たちの第一部に残ってもらうからね、他のところには行かせないよ」と言った。

鈴村薫も微笑んで、「はい、協力できますね」と答えた。

難しい事件に遭遇した時、矢崎粟のような玄学大師に見てもらえば、突破口が見つかるかもしれない。だから彼女は矢崎粟をしっかりと確保しておく必要があった。

「原部長があなたたちの直属の上司なんですか?」矢崎粟は好奇心を持って尋ねた。

彼女は調査のために、もっと状況を知りたかった。

川上孝史は説明した。「私たちの調査科は二つの部に分かれていて、第一部には三つのチーム、第二部にも三つのチームがあります。私たちの部と他の部との関係はあまり良くなくて、仕事の理念も違うので、めったに協力することはありません」

矢崎粟はそれを聞いて、深く考え込んだ様子だった。

このことから、もう一つの部は道家協会とその背後の人物を支持しているのだろう。第二部の部長は、背後の人物が埋め込んだスパイである可能性が高い。

矢崎粟は続けて尋ねた。「玄学管理所には、全部で何人の幹部がいるんですか?」

鈴村薫が答えた。「所長、二人の部長、それに六つのチームの队長がいます。所長は年齢が高いので、玄学管理所の事はあまり管理していません」

これを聞いて、矢崎粟は理解した。

矢崎粟は言った。「つまり、今の玄学管理所は二つの派閥に分かれているということですね。一方があなたたちの三つのチーム、もう一方がもう一つの部門。あなたたち同士で、対立もあるんでしょう?」

川上孝史は歯を食いしばって、「そうなんです。もう一つの部の人たちは横暴が習慣になっていて、いつも私たち第一部に圧力をかけてきます。先月も異動を口実に、私を中華街に飛ばそうとしました」と言った。

二つの部は長年の確執があり、しばしば衝突が起きていた。

鈴村薫は冷笑して、「今回も、私たちの捜査令申請が第二部の人たちに妨害されました。川上夕子が彼らの管轄区域内で死亡したからという理由で、私たちの捜査を許可せず、越権だと言われました。最後は原部長が出てきてくれて、やっと捜査令を取得できたんです」と言った。

もう一方の妨害は、必ず誰かの指示を受けているはずだ。