466 家から追い出される

矢崎政氏は溜息をつきながら、「分かりました。家に残って、お母さんと一緒にいましょう。それでいいですか?」

矢崎若菜も困った表情で、「そうですね。私たちは残って、ちゃんと付き添いましょう」

どうせ配当金には手を付けられないのだから。

なぜ矢崎美緒のために、自分の利益まで諦めなければならないのか?それは矢崎美緒を得させるだけではないか?

もし小林美登里が考えを改めず、自分の配当金を矢崎美緒にあげようとしたら、それこそ本当に心が痛む。

矢崎弘はこの憤りを抑えきれず、皮肉っぽく言った。「そうですね。私たちが残らなければ、誰がお母さんを困らせるんですか?私たち三人は八つ当たりの対象で、あなたの可愛い娘の矢崎美緒こそが実の子なんですよね」

言い終わると、彼は冷たい目で矢崎美緒を見つめ、誰かに彼女を殴らせたいほどだった。