525 クルーズ船でお祝い

矢野常は我に返り、立ち上がって拍手を送った。

粟は本当に凄い、彼女が参加するプロジェクトは必ず成功する。それこそが彼の心を最も揺さぶる点だった。

しかし、二人はもう昔には戻れない。

ステージの下から拍手と歓声が沸き起こり、現場のスタッフも矢崎粟たち三人を誇らしく思った。

矢野常は後悔していた。かつての矢崎粟の優しさを大切にしなかったことを。

配信を見ていた人々も反応し始めた。

【粟ちゃん最高!】

【三人チーム必勝!】

【絶対勝てると思ってた、やっぱり勝ったね。】

【粟ちゃんの一生ファンになる、永遠に粟ちゃんのファンでいる、粟ちゃん大好き。】

【すごすぎる!】

【想像もできないような展開だったのに、本当に実現しちゃった。】

【うぅ、感動した、粟ちゃんってどうしてこんなに凄いの。】