545 秘密を守る

最初、小林瑞貴は突然気を失っただけだった。

その後、激しい頭痛に襲われ、地面を転げ回って再び意識を失うほどだった。

夜が一番辛かった。小林瑞貴はほとんど眠れず、深い眠りに落ちると頭が激しく痛み出し、目が覚めてしまうのだった。

深刻な不眠症で、小林瑞貴はみるみる憔悴していった。今の彼の最大の願いは、ゆっくりと眠ることだった。

小泉西もほっと胸をなで下ろした。「よかった。私たちも安心できるわ。粟、あなたがいてくれて本当によかった。あなたがいなかったら、私たち、どうなっていたか分からないわ」

矢崎家は本当に目が見えていなかった。矢崎粟をあんな風に扱うなんて。

小泉西は暇な時に矢崎粟が出演したバラエティ番組を見ていたので、矢崎家がどれほど酷い仕打ちをしたのか知っていた。